(2011/2/24)
今月開催した泉南市での無料相談会で、公正証書遺言と尊厳死宣言公正証書のご依頼を頂きました。
書面の原案作成については、パートナーの行政書士の先生にお任せしていますので、
私はその内容のチェックと遺言の証人として公正証書の作成に立ち会うだけではありますが。
さて、あまり聞きなれない「尊厳死宣言公正証書とはどういものなのか?」について
今日はお伝えしたいと思います。
尊厳死とは、傷病により、「不治かつ末期」になったときに、
自分の意思で、死にゆく過程を引きのばすだけに過ぎない延命措置をやめてもらい、
むやみに高額な治療費等をかけて家族に負担をかけるよりも、
人間としての尊厳を保ちながら安らかに死を迎えることをいいます。
自分が、回復の見込みのない末期症状に陥ったときや
自分の意思も表現できないようなただ機械に生かされているだけの状態になった場合等、
単に延命だけの治療行為を中止し、家族への精神的・経済的負担を避け、
人間としての尊厳を保ったまま、安らかな死を迎えたいと考える方々が増えてきています。
専ら、患者の苦痛を除去するために死期を早めるための治療行為を行う
「安楽死」とは区別されます。
しかし、そのような状況になった際に、希望がかなえられるかというと難しい面があります。
植物状態や脳死状態になれば、本人が意思表示をすることはできませんし、
家族が、「本人がそのように望んでいた」と医師に伝えても、
拒否される可能性が高いからです。
何故なら、医師が延命治療を中止したことにより裁判に発展するケースもあり、
法的責任を問われることを恐れて、なかなか尊厳死の容認に踏み切れないからなのです。
また、現在の日本では尊厳死に関する法律はなく、
どのような場合に延命治療の停止が認められるのかという基準がはっきりしていません。
そのような中で、横浜地裁平成7年3月28日「東海大安楽死事件」の判決において
「意味のない治療を打ち切って人間としての尊厳性を保って自然な死を迎えたいという、患者
の自己決定を尊重すべきであるとの患者の自己決定権の理論と、そうした意味のない治療行
為までを行うことはもはや義務ではないとの医師の治療義務の限界を根拠に、一定の要件の
下に許容される」
との判断を示しています。
そして、尊厳死が許容される要件として次のものをあげ、
この要件が延命治療中止の法的なよりどころとなっています。
判例による延命治療停止の要件
①患者が治療不可能な病気におかされ、回復の見込みがなく死が避けられない末期状態にあること
②治療行為の中止を求める患者の意思表示が中止を行う時点で存在すること(推定的意思によること
も許容される)
③治療行為の中止の対象となる措置は、薬物投与、化学療法、人工透析、人工呼吸器、輸血、栄養・
水分補給など、疾病を治療するための治療措置及び対症療法である治療措置、さらには生命維持の
ための治療措置等全てが対象となる
尊厳死を望むならきちんとした書面が必要
このように、患者や家族が延命治療の停止を求めたとしても、
延命治療を打ち切る医師に訴訟リスクがあり、なかなか尊厳死の要請を受け入れてもらえません。
しかし、上記の判例が出来たことで、一定の要件を満たすことにより、
尊厳死というものが医師に受け入れられやすくなってきています。
そこで、ご自身が、どうしても尊厳死を希望されるのであれば、
自ら、明確な意思表示をするための客観的な書面を作っておく必要があります。
それが、「尊厳死宣言公正証書」なのです。
日本尊厳死協会が2009年に実施したアンケートによると、
93.0%の医師が尊厳死を受容したという結果が出ています。
尊厳死宣言公正証書を作成するポイントは次のとおりです。
・延命治療を拒否し、尊厳死を希望するという表明
・なぜ、そのような希望を抱くに至ったのかという理由
・2人以上の医師による診断
・尊厳死について家族も同意しているという事実
・医師に対して、刑事、民事責任を負わせないでほしいという希望
・本人による撤回がない限り、宣言書の内容の効力があることの明示
・本人の意思であることを明確にするため、事実実験公正証書にしておくこと
当事務所でも、尊厳死宣言公正証書のご相談・作成を承っておりますので、
ご遠慮なくご相談ください。
作成の費用については次のとおりです。
○当事務所報酬 31,500円
○公証人手数料 13,000円~15,000円程度
尊厳死宣言公正証書に関するご相談は当事務所まで
(初回メール・面談相談は無料)
行政書士中村法務事務所
大阪府阪南市舞1丁目26番13号
TEL 072-424-8576
メール info@nakamura-houmu.com
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