| |消滅時効|時効の中断||時効の援用| |
時効というと、テレビなどで殺人の逃亡犯などに対して使われているので、聞いたことはあるのではないでしょうか。
時効は、殺人などの刑事事件だけでなく、金銭の貸借のような民事事件でもあります。そして、この時効期間が過ぎてしまいますと、請求権が消滅してしまうのです。
時効を正当化する理由として、「権利があっても、それを放置して行使しないものを保護しない!」とよくいわれます。ですから、「そのうち、返してもらえるだろう。」なんて、ほったらかしにしていたら、知らない間に時効期間が過ぎていて、返してもらえなくなったということは、よくある話です。
消滅時効
ある人に対して、何かを請求できる権利があるのに、これを一定期間放置すると、その権利は消滅してしまいます。これを消滅時効といいます。
事項の期間は、債権の種類によって異なります。自分の権利の時効期間がどれだけあるのかを確認しておきましょう。
| 種類 | 時効期間 |
| 運送費債権 料理店の飲食料債権 |
1年 |
| 商品の売掛金債権 給料債権 |
2年 |
| 請負代金債権 PL法による損害賠償請求権 不法行為による慰謝料請求権 |
3年 |
| 利息債権 賃料債権 退職金の請求権 その他の商事債権(商取引による債券、商人間の債権) |
5年 |
| 個人間のの債権、個人間の売掛金債権 債務不履行による損害賠償請求権 判決で確定した債権 |
10年 |
つまり、個人間のお金の貸し借りであれば、10年が経過すれば請求できなくなってしまいます。
時効の中断
請求権は、何もしないでいると、時効期間の経過とともに消滅してしまいますが、時効の進行をストップさせることは可能です。時効の進行をストップさせることを時効の中断といいます。
時効を中断させるためには、次のような一定の手続きが必要となります。
1.請求
具体的には、裁判上の請求(訴訟、支払督促の申立てなど)の手続きを起こした時に時効は中断します。ただし、訴えの却下や取り下げなどがあった場合には、再び、時効はゼロに戻らず、時効の中断のあった時から進行します。
また、裁判上の請求ではなく裁判外の請求(電話や会って直接請求する)でも時効は一時的に中断します。ただし、電話等口頭での請求では後々、「言った、言わない」の水掛け論となりますので、必ず、内容証明郵便で請求するようにしましょう。
しかし、この場合の中断は、一時的な中断ですので、請求後6カ月以内に、裁判上の請求か差押、仮差押、仮処分のいずれかをしないと、時効は中断しなかったものとなります。
2.差押、仮差押及び仮処分
権利者として行動していると見られますので、時効の中断を行えます。
3.債務の承認
債務者が金銭の支払い義務があることを自ら認めることを債務の承認といいます。
例えば、金銭の返還請求に対して、「今はお金がないから、もう少し待ってくれ!」とか、「分割にしてくれ!」などと言ってきた場合や、債務の一部を支払ってきた場合に債務の承認となり、時効が中断します。
仮に、時効期間が過ぎていても、債務者がそのことを知らず、債務の承認をした場合には、時効を放棄したことになり、その後「時効が過ぎたから、返すつもりはない!」というような主張はできません。
債務者が、支払の猶予などを求めてきた場合には、必ず、その時点で「債務承諾書」を作成しておきましょう。
時効の援用
ただ、時効期間が過ぎただけで、当然に金銭の支払い義務がなくなるのかというと、そうではありません。時効の恩恵を受けるためには、時効が完成して利益を受ける人(例えば、お金を借りている人)が、「もう時効が過ぎているから、払う必要はない!」と債権者に対して主張する必要があります。これが、時効の援用です。
つまり、時効期間が過ぎていても時効の援用をせずに、債権者に対して支払いの猶予を求めたり一部返済をした場合には、債務の承認となり、時効の効果が無くなってしまいます。
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