| |労働条件の明示義務|労働時間・休憩時間・休日|年次有給休暇|不当解雇|賃金・退職金| |
労働基準法は、労働条件の最低基準を定めた法律であり、正社員のみではなく、パート・アルバイト・派遣社員などの名称に関わらず全ての労働者に適用される法律です。
そのため、労働基準法の定める最低基準に達しない条件を定める労働契約は、その部分に関しては無効となります。また、これらの違反した基準を定めた事業主に対して、労働基準法では罰則規定を設けてます。
しかし、労働者が法律を知らないことをいいことに、労働基準法を守らない経営者が多いのが実情です(経営者自体、知らない場合もあるとは思いますが…)
あなたも一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
雇入れの際に、雇入通知書(労働条件明示書)が書面でもらえなかった
休憩時間が60分と決められているのに、45分しか取れなかった
有給を申請しようとしたら、「うちの会社は有給休暇なんてないよ。」と上司にいわれて取れなかった
急に「明日から来なくてもいいよ」といわれてしまった
給与が給料日に振り込まれていなかった
これらのことは、すべて労働基準法違反です。
少しでも、会社の対応に「おかしいな?」と感じたら、まずは、労働基準法であなたが主張できる権利について考えてみてください。
ここでは、労働基準法について知っておいた方がよいであろう事柄について載せています。
しっかり学んで、経営者や上司に理不尽なことを言われたら、主張すべきことは労働者の権利としてしっかり主張しましょう。
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労働条件の明示義務(第15条)
使用者が労働者を採用する際には、労働者に対して書面または口頭で明示しなければなりません。ただし、絶対的明示事項に対しては、必ず、書面で明示する必要があります。
絶対的明示事項(必ず明示しなければならない事項)
@労働契約の期間
A労働契約の場所、従事すべき業務
B始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日休暇、労働者を2組に分けて交替
に就業させる場合における就業時転換
C賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払
の時期、昇給に関する事項
D退職に関する事項
相対的明示事項(労働条件を定める場合に明示しなければならない事項)
E退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法、退職手当の支払の時期
F臨時に支払われる賃金、賞与等、最低賃金額
G労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
H安全及び衛生に関する事項
I職業訓練に関する事項
J災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
K表彰及び制裁に関する事項
L休職に関する事項
相対的明示事項に関しては、口頭での明示でも構わないのですが、働き始めると実際話していた内容と異なる場合もありますので、絶対的記載事項と一緒に書面でもらうようにしておきましょう。
また、働き始めてから、明示された条件と異なる場合には、労働者は即座に労働契約を解除することができます(第15条2項)。
この場合において、就業のために引越しした場合には、契約解除をした日から14日以内に帰郷する時には、使用者に対して必要な旅費を負担しなければなりません。
労働条件の明示義務は、当然、正社員だけでなく、パートやアルバイトなど全ての労働者に対してしなければなりません。
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労働時間・休憩時間・休日
労働基準法では、原則として、1日について8時間、1週間につき40時間を超えて労働させてはいけないと定めています(第32条)。
一部例外として、労働者が常時10人未満である、商業、映画・演劇業・保健衛生業、接客娯楽業に関しては1週間につき44時間まで認められています。
変形労働時間制(第32条2〜5項)
労働基準法では、1日と週の労働時間が決められていますが、小売業など季節により忙しい時期と暇な時期が別れている業種もあります。
そういった業種が、労働基準法の制限に縛られず、柔軟に労働時間を使えるようにしたのが変形労働時間制です。変形労働時間制を採用することにより、結果的に労働時間を短縮することに繋がります。
変形労働時間制には、1ヶ月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制、1年単位の変形労働時間制、1週間単位の非定型的変形労働時間制の4種類があります。
休憩時間(第34条)
使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくても60分、の休憩を労働時間の途中に与えなくてはなりません。
6時間を超える場合ですから、6時間労働では休憩時間がなくても合法ですし、8時間労働の場合は、休憩時間は45分であっても問題はありません。
昼休みに、弁当を食べながら電話当番をさせるような場合には、この時間は休憩時間とは認められません。
なぜなら、当番者は、いつかかってくるかわからないので、電話のそばを離れるわけにはいきません。かりに1本もかかってこなかったとしても、勤務は勤務です。ですから、別に休憩時間を与えなければなりません。
休日(第35条)
休日とは、労働義務のない日のことをいいます。労働基準法では、「休日は、毎週少なくとも1回、もしくは4週を通じて4日以上の休日を与えなさい」と定めています。
休日労働をさせた場合には、0.35倍の割増賃金を支払わなければなりませんが、4週で4日の休日を確保していれば、支払う必要はありません。
ただし、週休2日の会社などでその内の1日を出勤した場合には、単なる時間外労働となりますので、0.25倍の割増賃金を払わなければなりません。
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年次有給休暇
有給休暇とは、労働者が働かなくても給料を支払う義務がある休暇のことをいいます。
年次有給休暇は、
@雇入れの日から6ヶ月勤務した労働者
A所定労働日の8割以上勤務した労働者
の2つの条件を満たした場合に、最低10日間の有給休暇を与えなければなりません。その後は、1年ごとに前1年間の所定労働日数の8割以上出勤した場合に、この法律に定められた日数を与えなければなりません。
パートタイム労働をされている方も雇入れの日から6ヶ月が経てば、有給休暇をもらえます。ただし、パートタイム労働者は、所定労働日数が少ない方が多く、正社員と同じ日数を与えると不公平になるため、週の所定労働日数に比例して計算された日数で付与することになっています(比例付与)。
この比例付与の対象になる労働者は、「週の所定労働時間が30時間未満」であり、「週の所定労働日数が4日以下」または「週以外の期間によって所定労働時間が定められている場合には、年間労働日数が216日以下」である方です。
有給休暇の付与日数
| 週所定 労働時間 |
週所定 労働日数 |
1年間の 所定労働 日数 |
勤続年数に応じた年次有給休暇の日数 | ||||||
| 6ヶ月 | 1年 6ヶ月 |
2年 6ヶ月 |
3年 6ヶ月 |
4年 6ヶ月 |
5年 6ヶ月 |
6年 6ヶ月 |
|||
| 30時間以上 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 | ||
| 30時間 未満 |
5日以上 | 217日以上 | |||||||
| 4日 | 169〜216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 | |
| 3日 | 121〜168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 | |
| 2日 | 73〜120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 | |
| 1日 | 48〜72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 | |
このように、有給休暇は法律で定められた労働者の権利です。
特に退職時に、残っている有給休暇を使おうとすると、「ウチの会社には、有給休暇なんてないからダメだよ。」と言われてしまい、あきらめている方が多いのではないでしょうか?
でも、あきらめる必要はありません。上記の条件を満たしていれば、あなたにも有給を取得する権利があります。まずは、自分にどのような権利があるのかを、事前にしっかりマスターしてから請求しましょう。
もし、請求しても、会社が応じないようであれば、未払い賃金の請求と同様の手順で請求しましょう。
ただし、解雇の場合はともかく、自分から会社を辞める場合は、引き継ぎなどもありますから、2ヶ月ほど前に退職の意思を伝えるなど、社会人としてのマナーを守りましょう。
時季変更権と時期指定権
原則として、有給休暇は、労働者が請求する時季に与えないといけないことになっています(時季指定権)。
しかし、使用者は、事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季に変更することができます(時季変更権)。
ただし、この時季変更権は、労働者の退職日を超えて与えることができないことになっています。ですから、使用者は、労働者が忙しい時であっても、有給休暇を与えなければならないなんて可能性もあります。
辞める側も、引き継ぎや有給休暇の消化も考え、余裕を持って退職の意思を伝えることで、スムーズに退職手続きを進めることができるでしょう。
有給休暇の買い取り
基本的に、有給休暇の買い取りは認められていません。ただし、有給休暇を法定付与日数以上に与えている場合には、その超えた分に関しては買い取りが認められています。
また、有給休暇が時効にかかったり、退職などで請求権が消滅してしまう場合にも、買い取りが認められています。
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