内容証明郵便は、一種の手紙です。ただ、公の機関である郵便局が、内容と差出日、また配達証明を付けることで、相手にいつ届いたのかを証明してくれます。そして、内容証明郵便を受け取った相手に心理的圧力をかけることが可能あり、トラブルの解決手段としてよく利用されているのは事実です。
しかし、内容証明郵便は手紙ですから、それ自体に法的拘束力はありませんし、相手はその内容に従わなければならないものでもありません。
ただし、相手が約束を守ろうとしている場合などに、話し合いもぜず、いきなり内容証明を送ってしまうと、相手は喧嘩を売られた気分になり、感情を害し、素直に約束を守っらなくなるかもしれません。
内容証明郵便を送ることは、宣戦布告の手紙を送ったことと同じです。ですから、時と場合により、内容証明を送るかどうかを判断しなくてはなりません。
内容証明郵便の効果は,どんな内容の手紙を相手にいつ出したのかを郵便局が証明してくれることです。ですので、相手に確実に送り、その証拠を残したい場合には、内容証明郵便を活用しましょう。
特に以下の場合には必ず内容証明郵便を送りましょう!
@ 債権譲渡をする場合
債権は第3者に譲ることができます。債権譲渡をする場合には、譲る人(譲渡人)と譲り受ける人(譲受人)とが債権譲渡の契約を結びます。しかし、債権譲渡の契約をしただけでは、債権譲渡は有効には成立しません。
債権譲渡を有効に成立させるためには譲渡人が債務者に対して通知をするか、債務者が承諾をする必要があります。また、この場合の通知または承諾は、確定日付のある証書によってする必要があります。
この確定日付のある証書による通知というのが、内容証明郵便のことになります。
A 債権放棄をする場合
商取引をしていた相手が倒産し、売掛金が回収できなくなった場合、そのままにしておくと、帳簿上その売掛金は資産として計上され、税務上損をすることになります。
このような場合、債権放棄の通知を債務者に対して行いますと、売掛金債権を損金として計上することができます。
この時にも債務者への通知は必ず内容証明郵便で送り証拠を残しておかなければなりません。後日、税務署から債権放棄の証拠を求められたときに、「電話で送りました」とか「普通郵便で送りました」というのでは認めてもらえないからです。
B 時効を中断する場合
未払い給料の請求権は請求せずに2年が経過してしまいますと、時効で消滅してしまいます。ある人に対して何かを請求できる権利を請求せずにある期間放置すると、その権利は消滅、てしまいます。これを消滅時効といいます。時効期間は債権の種類により異なります。
時効は裁判上の請求(訴訟、支払い督促等)をしたり、差押、仮差押、仮処分などの手続きを取ると中断されます。また、請求書を送るとか、電話で請求するなどの裁判外での請求でも、時効の進行を一時的に停止させることができます。しかし、裁判外での請求の場合は請求後6ヶ月以内に裁判上の請求をしないと、時効の中断はなかったこととなります。
裁判外で時効の中断を請求するには、いつ請求したのかという証拠を残すために、必ず内容証明郵便で請求するべきです。
ただし、裁判外の請求は1度きりしか使えません。請求から6ヶ月以内に再び請求書を送れば更に6ヶ月時効期間が延びると思われている方もいらっしゃると思いますが、延びるのは1度きりですので注意してください。
時効についてはこちらをどうぞ!
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C クーリング・オフする場合
クーリング・オフは法定記載事項が書かれた書面を受け取ってから、所定のクーリング・オフ期間内に書面で通知しなければなりません。この書面を普通の手紙などで送ってしまいますと、悪質な業者であれば「そんな書面は受け取っていない。」等と言い張り、後々争いになりかねません。
こういった争いや後々訴訟などになった場合の証拠とする為に内容証明郵便で通知する必要があります。
クーリング・オフについてはこちらをどうぞ!
内容証明郵便は、将来発生しそうなトラブルを未然に防ぐ場合や、実際に発生しているトラブルを解決するための有効な手段です。
しかし、内容証明郵便は一種の宣戦布告の手紙であり、一度内容証明郵便を出してしまうと、もう後戻りできません!
ですから、下記の場合はよく考えてから、内容証明郵便を出すようにしましょう。
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@相手に誠意がある場合
お金を貸している相手方が、借りた金を1度には返せないけど、「分割払いでお願いします」とか「3ヵ月後にまとめて支払います。」など、相手が誠意を見せている場合には、内容証明郵便を出すべきではないでしょう。
相手が誠意を見せているにもかかわらず内容証明を送りますと、相手方の誠意に水を指し、感情を害してしまい、返済してもらえなくなってしまいます。
ただ、口先だけで全く返済する意思のない人もいますので、見極めが必要です。
そういった人には遠慮せず内容証明郵便を送り、こちらの強い意志を示しましょう。
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A相手と今後も付き合っていく場合
内容証明郵便は一種の宣戦布告ですから、交通事故の損害賠償請求などのように他人とのトラブルにおいては、その問題が解決すれば、その後に付き合うこともありませんので有効です。
しかし、肉親・近所の人・友人・職場の同僚等親しい人とのトラブルに対してはよく考える必要があります。一旦、内容証明郵便を送ってしまい、相手の感情を害してしまいますと、修復するのはなかなか難しいものです。
ですから、今後とも付き合って生きたい人とは、根気よく話し合いで解決するべきです。
話し合いで、どうしても解決できない場合に内容証明郵便を利用しましょう。
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B財産を隠したり夜逃げしそうな場合
相手が倒産しそうな場合、内容証明郵便で売掛金を請求したりしますと、相手は財産を隠したり、夜逃げしたりしてしまう可能性があります。
この場合は直ちに相手の財産を仮差押するなどして、財産を自由に処分できないようにしなければなりません。
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