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遺言というのは、自分の死後に、生前築いてきた財産や身分を、法定相続分とは関係なく、一定の方式により定めた最終的な意思表示のことです。 遺言は、遺言者の死後に効力が生じるので、その時になって遺言の内容に疑いやあいまいな点があってもいけないので、遺言を作成する場合には十分に注意する必要があります。なぜなら、遺言の効力が生じたときには、遺言者は亡くなられているので、内容があいまいだったとしても確認はできません。これでは、残された家族が困らないために残した遺言であっても、逆にトラブルの元になりかねません。 そこで、後にトラブルを起こさない遺言を行うために、遺言でできることなどを正しく理解することが重要です。 ●遺言能力 民法では、遺言が書けるのは満15歳に達すれば遺言することができると規定しています。満15歳未満に達しない者は、親や後見人が代理して、書くこともできません。なぜなら、遺言というものは、自分の最終意思を残すものなので、代理するという考えになじまないからです。 ●遺贈 遺言がなければ、被相続人の財産は法定の相続人が相続します。遺言では、自分の死後に財産を法定相続人以外の第三者に財産を譲ったり、財団法人などに寄付をしたりすることもできるのです。これが遺贈です。 遺贈を受ける人を受遺者と呼んでいて、受遺者は相続人でもいいし相続人以外の人でも構わないのです。このように、被相続人の生前と同じく死後においても、自分の財産を自由に処分できる制度が遺贈の制度といえますが、相続人の遺留分を侵すことはできないので注意が必要です。 遺贈には、特定遺贈と包括遺贈の2つの方法があります。 特定遺贈は、「○○の土地」とか「株式全部」というように、財産を特定する遺贈をいいます。一方、 包括遺贈は、財産を特定せず「全財産の3分の1」というように割合を示してする遺贈のことをいいます。 特定遺贈、包括遺贈のどちらの方法を選んでも、遺言としては有効なのですが、特定遺贈では債務の負担は負いませんが、包括遺贈の場合は相続財産の割合に応じて債務も負担することになってしまいます。また、包括遺贈の受遺者は相続人と同じ立場となりますから、遺産分割協議に参加する必要があります。 といったことから、遺産分割協議の際にトラブルになる可能性を考えると、相続人以外の第三者に遺贈する場合は、特定遺贈の方が望ましいでしょう。 ●遺言の撤回 遺言は作成した時に効力が発生するわけでなく、亡くなった時に発生するので、作成してから効力が発生するまでに時間があります。そのため、遺言者の気持ちが途中で変わったり、相続人や受遺者に変動があったり、財産内容が変わったりすることがあります。このため作成済みの遺言は何時でも何回でも撤回することができます。 ●複数の遺言を作成していた場合 亡くなられた方が、複数の遺言を作成していた場合があります。 この場合には、同じ事項についての記載があれば、その部分については、新しい遺言書の内容が有効になります。また、古い遺言では全財産について詳細な記載があって、新しい遺言書では自宅のみについて記載されている場合は、古い遺言書も自宅部分以外の記載については有効なります。 このように複数の遺言があると、各々の遺言の効力について誤解が生じる恐れがありますので、遺言を作り直す場合には、「今まで作成したすべての遺言を撤回し、新たに遺言する。」といった一文を入れておけば、新しい遺言だけが有効となります。 ●遺言執行者 遺言に記載された内容を、適正かつ正確に進めるのが遺言執行者です。 遺言執行者は必ずしも指名する必要はないのですが、次の場合には、必ず指名しなければなりません。 ・ 子を認知する場合(民法781条2項) ・ 相続人の廃除および取り消し(民法893条、894条) 遺言執行者は全相続人の代理人とみなされ(民法1015条)、遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を持つこととなります。遺言執行者がいる場合には、相続人はその対象となった財産を勝手に処分したり、遺言執行を妨げる行為をすることはできません。 遺言執行者には法律の知識や経験が求められますので、相続手続のプロである行政書士などに依頼するとよいでしょう。 ●遺言の方式 遺言の方式は民法で決められていて、これにしたがったものでないと、効力を生じません。 遺言の方式は、大きく分けて普通方式と特別方式とがあります。特別方式の遺言は、遺言者に危難が迫っている場合など特別な状況下で作成されるものですので、通常は普通方式で作成することとなります。 普通方式には、「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3つの方式があります。 各遺言書の作成の仕方は後ほど説明しますが、ここでは各遺言方法の比較をまとめておきます。
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