こんにちは。
大阪府堺市の行政書士の中村です。
ご訪問いただきましてありがとうございます。


貸切バス事業者と旅行業者等との取引における手数料等については、いわゆる「過大な手数料等の取扱に関する通達」により規定されていましたが、それが令和7年6月20日に改正されました。


その結果、事業年度経過後100日以内に「原価報告書」の提出が必要とされることになりました。







貸切バス会社が運送の引受けに際し、旅行会社へ支払う手数料等については、商慣行により定着していることもあり、一定の金額については認められているところではあります。

しかし、それが過大な金額となり、その結果、本来受け取るべき運賃や料金を受け取れず、安全を確保するための経費(安全コスト)を阻害しまっているケースが見受けられます。


過大な手数料等により、安全コストを阻害している運送取引については、道路運送法第10条の「割戻し」に該当することになり、さらに、下限運賃を下回ることで「届出運賃・料金違反」として行政処分の対象となる場合があります。

そこで、運送に必要な安全コストを算出するために、「原価報告書」の提出が義務付けられることとなりました。

運賃の割戻しであるかどうかについては、原価計算報告書で報告した安全コスト額(届出安全コスト)を基に、個別運送に係る安全コスト額を算出(一運送に必要な安全コスト額)を算定し、当該運送に係る契約運賃から手数料等を控除した結果、一運送に必要な安全コスト額を下回っているかどうかで判断されることになります。







原価報告書とは、貸切バス事業者が、運送の引受けに際して必要なコストをあらかじめ確認することによって、旅行業者との手数料等について適正に取引を行うために作成するものです。







国土交通省より、原価報告書作成マニュアル(下記参照)が発行されていますので、こちらを参考に作成してください。

なお、原価報告書を作成するためには、下記資料が必要となります。

・原価報告書作成マニュアル
・同じ事業年度の事業概況報告書
・最新の運賃及び料金設定(変更)届
・同じ事業年度の「総走行時間、乗務時間、点呼点検時間」が分かる資料
・貸切事業車両を管理している固定資産台帳







事業年度経過後100日以内に作成し、主たる事務所の地域を管轄する運輸局長宛で運輸支局を経由して提出することになります。

つまり、事業概況報告書と同じタイミングとなります。







原価報告書作成に参考になる資料をまとめましたので、作成する際に参考にしてください。







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